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社会との交流 分子研リポート2008 | 分子科学研究所

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研究支援等 83

4-5 社会との交流

4-5-1 自然科学研究機構シンポジウム

自然科学研究機構シンポジウムは,著名なジャーナリストであり本機構の経営協議会委員でもある立花隆氏によっ て提案・コーディネイトされ,下記のようにこれまでに計6回開催されている。

第1回:「見えてきた! 宇宙の謎。生命の謎。脳の謎。科学者が語る科学最前線」,サンケイプラザ(東京都千代 田区),2006年3月21日。

第2回:「爆発する光科学の世界—量子から生命体まで—」,東京国際フォーラム(東京都千代田区),2006年 9月24日。

第3回:「宇宙の核融合・地上の核融合」,東京国際フォーラム,2007年3月21日。

第4回:「生命の生存戦略 われわれ地球生命ファミリーは いかにして ここに かくあるのか」,東京国際フォーラム, 2007年9月23日。

第5回:「解き明かされる脳の不思議」,東京国際フォーラム,2008年3月20日。 第6回:「宇宙究極の謎」,東京国際フォーラム,2008年9月23日。

そもそも本シンポジウムは,自然科学研究機構が国内最高水準の学術的アクティビティーを有しながら一般にはほ とんど知られていないという現状を残念がられた立花氏が,コーディネーターとして自ら進んで計画されたものであ る。氏は,東京大学教養学部で担当されているゼミナールの受講生とともに事前に講演者に取材を行い,最先端の研 究内容をいかに面白く,かつ,分かり易く伝えるかについて,貴重なご助言をされてきている。そのおかげもあり, 事前に予約受付をした500名以上の参加者で毎回会場は満席となり,また,ほぼ丸一日を費やす盛り沢山なプログラ ム編成にも関わらず途中退席する人はほとんどいない。

本シンポジウムに対して,分子科学研究所は以下のような様々な企画で積極的に関与してきている。まず,第1回 において,「21世紀はイメージング・サイエンスの時代」と銘打ったパネルディスカッション中で,岡本裕巳教授が

「ナノの世界まで光で見えてしまう近接場光学」というタイトルで講演を行った。第2回目は,講演会全体の企画を 分子学研究所が中心となって行なった。全講演のうちの半数を分子研のスタッフ(松本吉泰教授,平等拓範准教授, 加藤政博教授,大森賢治教授,江東林准教授)が担当し,中村宏樹所長が閉会の挨拶で締めくくった(詳細は分子研 リポート2006を参照)。なお,本講演会の収録集が,2007年度10月に(株)クバプロより出版された。また,本シ ンポジウムでは,講演会の開催と併せて,展示コーナーを設けてビデオやパネルを用いた説明を行なってきている。 短い休憩時間をぬって展示スペースを訪れ熱心に質問をされる参加者の方々も多く,「研究の面白さ」を伝える試み が一定の成果を挙げていることが実感される。特に,本年度9月に開催された第6回では,新規に作成した分子研の 紹介ビデオを放映した効果もあり,今までよりも多数の訪問者があり,質問も活発であった。

本シンポジウムも第6回を迎え,自然科学研究機構の各機関(分子研・核融合研・基生研・生理研・天文台)が主 体となった企画も一巡した。今後は,複数の研究機関が協力して学際的なテーマを取り上げるなど,新たな取り組み が検討されている。次回は2009年3月20日に開催され,これまでとは少し傾向を変えて「研究への思いを研究者 自らが熱く語る」プログラムとなる予定である。

(2)

84 研究支援等

4-5-2 分子科学フォーラム

分子科学研究所では『分子研コロキウム』という名前で所員に向けた分子科学のセミナーを開催し,2008年12 月で819回目を終った。これとは別に,分子科学の内容を他の分野の方々や一般市民にも知らせ,また分子研コロキ ウムよりはもう少し幅広い科学の話を分子研の研究者が聞き,自分の研究の展開に資するようにすることを目的とし たセミナーも有益であろうという考えの下に,豊田理化学研究所の協力を得て開催するに到ったのが『分子科学フォー ラム』である。豊田理化学研究所の理事を長年つとめておられる井口洋夫先生の紹介によりこれが可能になり,実際 の運営はコロキウム委員が担当している。年度毎に年間計画を前年度末に豊田理化学研究所の理事会に提出し,承諾 を得てから実施している。

分子科学フォーラムは年6回開催している。第1回は1996年9月にシカゴ大学教授の岡 武史先生,第2回は同年 10月に生理学研究所名誉教授の江橋節郎先生に講演をお願いし,現在までに78回開催されている。今年行われた講 演の中では,サントリー水科学研究所長の樋口直樹さんとチーフブレンダーの輿水精一さんによる水とアルコールに ついてのお話(第75回)に,250名を超える市民の方々が参加されて会場が満席になり,多くの活発な議論が行わ れた。講演の前にはウイスキーの試飲会が開かれ,市民と研究者の交流の場となった。講演内容では,第37回の東 京大学助教授の高野陽太郎先生,第43回の立花隆さんの講演の他は,自然科学の先生によるお話であった。

この様に,分子科学フォーラムは分子研コロキウムより幅広い人を対象にしたセミナーで,大学院生や社会人も含 めた多くの方々に対して,分子科学やその関連分野の最先端の研究成果をわかりやすく紹介する事を基本趣旨として, 講演者に工夫をお願いしている。毎回簡単な講演要旨を事前に講演者に書いてもらい,それを愛知県内の大学や岡崎 市内の色々な機関に送ると共に,分子研ホームページにも載せている。一般市民の参加数は会毎に大幅に変るので, 開催案内はかなりいきわたっていると思われる。テーマや講演者の選考,広報の仕方等にコロキウム委員のアイディ アが大いに入ってくるので,委員には負担ではあるが,その時毎に結果の出るやりがいのある活動となっている。こ れが分子研と一般社会とのつながりにより大きく貢献するものになっていくことが期待される。

回 開催日 テーマ 講演者

72 2008. 2.13 星空に巡らす化学の夢

山本  智

 (東京大学大学院理学系研究科教授)

73 2008. 2.20 分子が拓く物性革命

高橋 利宏

 (学習院大学理学部教授)

74 2008. 3.12 冷却原子で観る量子論の不思議

久我 隆弘

 (東京大学大学院総合文化研究科教授)

75 2008. 5.21 特別企画「水とアルコールと人生と」

樋口 直樹(サントリー水科学研究所長) 輿水 精一(サントリーチーフブレンダー)

76 2008. 6.11 カーボンナノチューブの世界にようこそ

齋藤理一郎

 (東北大学大学院理学研究科教授)

77 2008.10.29 暮らしを変えた化合物たち

佐藤健太郎

 (サイエンスライター)

78 2008.12.17

見るって何だろう

—光は眺めるだけなのか—

腰原 伸也

 (東京工業大学フロンティア研究センター教授)

(3)

研究支援等 85

4-5-3 岡崎市民大学講座

岡崎市教育委員会が,生涯学習の一環として岡崎市民(定員 1,500 人)を対象として開講するもので,岡崎3機関 の研究所が持ち回りで担当している。

分子科学研究所が担当して行ったものは以下のとおりである。

開催年度 講 師 テーマ

1975 年度 赤松 秀雄 化学と文明 1976 年度 井口 洋夫 分子の科学

1980 年度 廣田 榮治 分子・その形とふるまい 1981 年度 諸熊 奎治 くらしの中のコンピュータ 1982 年度 長倉 三郎 分子の世界

1983 年度 岩村  秀 物の性質は何できまるか 1987 年度 齋藤 一夫 生活を変える新材料 1988 年度 井口 洋夫 分子の世界

1991 年度 吉原經太郎 光とくらし 1994 年度 伊藤 光男 分子の動き 1997 年度 齋藤 修二 分子で宇宙を見る

2000 年度 茅  幸二 原子・分子から生命体までの科学 2003 年度 北川 禎三 からだで活躍する金属イオン

2006 年度 中村 宏樹 分子の科学,独創性,そして東洋哲学

4-5-4 その他

(1) 安城市民公開講座等

安城市教育委員会が,生涯学習の一環として安城市民(公開講座は,一般市民約100名,シルバーカレッジ(2年 間)は,熟年者約50名)を対象として開講しているもので,岡崎3機関の研究所が協力して,講師を派遣している。

分子科学研究所が担当して行ったものは,以下のとおりである。 安城市民公開講座

開催日 テーマ等 講 師

2002. 8.10 ナノテクノロジーの話 夛田 博一 助教授

2003. 7.19 レーザー入門〜光の基礎からレーザー研究の最前線まで〜 平等 拓範 助教授

安城市シルバーカレッジ

開催日 テーマ等 講 師

2002. 6. 6 鏡に写った分子の話 魚住 泰広 教 授

2003. 6. 5 分子の振動を観測して蛋白質のメカニズムを明らかにする 北川 禎三 教 授 2004. 7. 6 原子のさざ波と不思議な量子の世界 大森 賢治 教 授

2005. 9. 9 動物の進化 宇理須恆雄 教 授

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86 研究支援等

(2) 岡崎商工会議所(岡崎ものづくり推進協議会)との連携

岡崎商工会議所は産学官連携活動を通じて地元製造業の活性化と競争力向上を目的に「岡崎ものづくり推進協議会」 を設立し,多くの事業を行っている。この協議会と自然科学研究機構岡崎3研究所との連携事業の一環で,会員であ る市内の中小企業との交流会を,平成19年度から行っている。これらは主に機器開発班と電子機器・ガラス機器開 発班が中心となって対応した。毎回,市内の中小企業から10社ほど来所し,各社の持っている得意分野の技術紹介 を受けた後,分子科学の分野で必要なものづくり技術や,技術開発の取り組みについて説明し,意見交換を行った。 平成20年度は交流会の開催は行わなかったが,この交流会を機にスタートした協力体制は継続して進んでいる。

(3) コミュニティサテライトオフィス講演会

岡崎大学懇話会(市内4大学で構成)・岡崎商工会議所が運営するコミュニティサテライトオフィスにおいて,地 域社会や地域産業の活性化に還元する主旨で一般市民及び企業関係者を対象としている。

開催日 テーマ 講 師

2009. 1.15

分 子 を 活 用 す る 近 未 来 技 術 〜 分 子 科 学 研 究 所 が 関 与 す る エ ネ ル ギー問題や環境問題等への取組み〜

西  信之 教 授

参照

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第7回 第8回 第9回 第10回

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